岡山県真庭市
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中世の歴史を受け継ぐ〜社地区〜

真庭の地域紹介

2023年06月28日 by 藤本 一志

真庭市は、5つの町と4つの村が合併して生まれた広い広いまちです。
そんな真庭市には、魅力ある地域がたくさんあります。

今回はその中から、「地域」を紹介します。

中世の歴史が残る地区

名湯「湯原温泉」の東に位置する社地区。
周囲を山々に囲まれ、涼やかな水が湧く、自然豊かな地域です。

よくある山あいの集落かと思いきや、未だ謎の多い、中世の歴史が色濃く残っています。

社地区は「水源が豊富」「土壌が豊か」「災害が少ない」という恵まれた土地柄であるため、古来より経済的な基盤が整っていました。

そのため、神社やお堂、石造物や城跡など、地区内ではいくつもの遺跡を見ることができます。

また、中世より続く神秘的な祭礼が受け継がれているのも特徴。
現在でも、お神輿が出る本祭、大きな数珠を皆でまわす百万遍など、歴史ある祭礼が行われています。

格式高い「式内社」

社地区には、平安時代に朝廷から指定された格式高い神社「式内社」が8つ存在します。

かつての美作国にあった式内社は11。
そのうちの8つが存在するのですから、社地区は当時の朝廷と深い関わりがあったと考えられています。

さらに、神道の式内八社と仏教の「大御堂」が共存しているなど、日本独特の文化である神仏習道の名残も見られます。

これらの歴史や文化は、今なお地域の方々によって大切に守られ、次世代に受け継がれています。

そして、このような地域の史跡を一緒に巡るガイドツアーも人気です。

なぜ社地区に8つの式内社が集まっているのか、地元ガイドと一緒に謎解きしてみてはいかがでしょうか。

地域資源を活かした村づくり

社地区では、社地域振興協議会が中心となって、地域資源を活かした村づくりを進めています。
地域の史跡を巡るガイドツアー以外にも、さまざまな活動に取り組まれています。

例えば、竹林の活用。

地区内の竹林を整備した際の竹を使って竹灯篭を作り、年越しイベント「やしろ竹あかり」を開催されています。

樹齢1,000年を超える「佐波良の大杉」が照らされる様子は、まさに幻想的。
初詣と合わせて、ご覧になってはいかがでしょうか。

また、社地区には約300枚の棚田が点在しています。
この棚田で大切に育てられている餅米「ヤシロモチ」の加工・販売にも取り組まれています。

旭川上流域の清らかな水に加え、社地区産の竹パウダーや瀬戸内海の牡蠣殻を使って土づくりを行うなど、こだわって栽培されているのが特徴。

生産量が限られているうえに「美味しい」と評判なので、店頭に並ぶとすぐに売り切れてしまうとか。

ちなみに、このような取り組みが身を結び、農林水産省が定める「つなぐ棚田遺産」に認定されました。
今後は生産者や栽培面積を増やすことを1つの目標に、さらに活動を進めていかれます。

2023年に入ると、地域の空き家をみんなで整備し、活動拠点「神戸の館」として活用開始。

「神戸」を何と読むかは、実際に訪れて聞いてみてください。
きっと名前の由来から教えてくれるはずです。

そんな「神戸の館」を活用して、今後どのような活動が行われるのでしょうか。
イベントも開催されるはずなので、ぜひ訪れてみてくださいね。

関連リンク

社地域振興協議会
中世式内八社案内ガイド(真庭観光WEB)
800年の歴史が支える社棚田(農林水産省)

藤本 一志

岡山市から真庭市へ移住。COCO真庭スタッフ・米農家・Webライターの3つの生業をしながら暮らしている。ブログ→移住事典

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