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商社勤務のサラリーマンから農家へ。真庭市蒜山地区へ家族とともにUターン。【真庭市地域おこし協力隊 入澤 高広】

地域おこし協力隊インタビュー006

2026年03月02日 by COCO真庭

真庭市の蒜山地区で地域おこし協力隊として農業に取り組む入澤 高広さん。

入澤さんは蒜山地区の出身で、以前は大阪で金属部品の商社に約18年間勤めていました。

実家が蒜山地区で農家を営んでいるため「いつか引き継ぎたい」「耕作放棄地の増加という地元の課題を解決したい」という思いから、会社を退職し、2025年4月に地域おこし協力隊に着任。

妻と小学生の子ども2人とともにUターンしました。

現在はトウモロコシやトマト、大根、白菜などを生産しながら、蒜山農業公社が取り組んでいるブドウ栽培にも携わっています。

入澤さんに、農業の面白さや移住で大切なことなどについて語っていただきました。

家業の継承と、地域課題を解決するため地域おこし協力隊へ

入澤さんの畑

COCO真庭 吉田:まず、入澤さんの移住前についてお伺いします。真庭市で地域おこし協力隊になった経緯を教えていただけますか?

入澤さん:私は真庭市蒜山地区の出身で、京都の大学を卒業後、大阪で金属部品の商社に約18年間勤めていました。採用や労務、法務、広報など幅広い業務を担っていました。

私の実家は蒜山地区で農家を営んでいて、私が40歳頃に実家に戻り、両親が健康なうちに農業を引き継ぎたいなと思っていたんです。

地域では若手の農業就労者がどんどん減ってきており、耕作放棄地も増えてきました。そうすると景観が荒れてしまいます。そんな地元が抱える問題を解決する力になりたいと思っていました。

会社では40歳前後から管理職になる社員が多く、もし自分が管理職になってしまうと、部下を抱えた状態で辞めることになり、かえって周囲に迷惑をかけてしまうのではないかと感じていました。

そこで、そうなる前に区切りをつけようと考え、管理職になる前に退職を決意し、真庭市にUターンすることを決めました。

COCO真庭 吉田:大阪から真庭市にUターンするにあたって、何かハードルはありましたか?

入澤さん:心理的な面で言えば、退職に対するハードルはありました。新卒から入社して約18年間お世話になっていた先輩や同僚がいたので、辞めるのが申し訳ないなと。

そこで周りにかける負担を減らそうと、自分しかわからない仕事をマニュアル化するなど、丁寧に引き継ぎをしていきました。

収入面で言えば、会社員時代より給料が下がるというハードルもありましたが、妻が受け入れてくれたので、踏ん切りがつきました。

旬で栄養価の高い野菜を生産

入澤さんが育てたトマト

COCO真庭 吉田:実家の農業を継ぐためUターンして、現在は地域おこし協力隊として活動されていらっしゃいますね。改めて、どんな活動をしているか教えていただけますか?

入澤さん:自分の畑ではトウモロコシやトマト、大根、白菜など季節の野菜を育てています。また、一般社団法人蒜山農業公社が取り組んでいるブドウの栽培にも携わっています。

自分の農業の特徴を挙げるとすると、シーズンごとに適した旬の野菜を栽培していることです。現在では、栽培技術の発達によって、季節に関係なく野菜を育てることも可能になっていますが、やはり旬の野菜の方が食味や栄養価が向上します。

また、蒜山地域一帯に広がる黒ボク土の土壌を活かし、作物が本来持つ力を引き出す栽培を行っています。

黒ボクは名前の通り色が真っ黒で、関西ではめずらしく、東北や関東でよく見られる種類です。酸性に傾きやすかったり、作物の成長に欠かせないリン酸が作物に吸収されにくかったりするデメリットはありますが、土を改良すれば、豊かな土壌に生まれ変わります。

蒜山農業公社のブドウ
蒜山農業公社のブドウ

COCO真庭 吉田:ご自身の農業以外で、蒜山農業公社のブドウ栽培にも携わっていらっしゃいますが、どのような経緯で挑戦しようと思ったのですか?

入澤さん:蒜山地区のブドウ栽培に将来性を感じたからかもしれません。

蒜山地区は気温が低くて雪が降ることなどから、本来ブドウの栽培に向いていません。しかし近年の温暖化や品種改良の影響で、蒜山地区でもブドウが栽培できるようになり、徐々にブドウ農家さんが増えていきました。

蒜山農業公社で栽培する「オーロラブラック」と呼ばれる品種は、JA晴れの国おかやまのまにわぶどう部会が主催するブドウの共進会で最も優れたブドウに選ばれています。そんな蒜山のブドウの可能性に惹かれ、私も挑戦することにしました。

農業は自分がやったことがしっかり返ってくる

入澤 高広さん

COCO真庭 吉田:活動のなかで、やりがいや面白さを感じるのはどんなところですか?

入澤さん:自分がやったことがしっかりと結果として返ってくるところです。会社員時代は自分の行動だけでなく、人と人との関係性も結果を左右すると感じていましたが、農業は自分の行動がダイレクトに結果に影響します。

例えば、手間はかかりますが除草したり、農薬をまいたりすることで質の高い野菜に育ちます。自分がやったことが結果として形に残って、それを誰かが食べて喜んでくれるのは気持ちが良いものです。

農業は天候に左右される部分もありますが、やることをやらなかったら、えらい目に遭います。私も経験しました(苦笑)。

COCO真庭 吉田:他に農業で大変なのはどんなところでしょうか?

入澤さん:私は農業で大変さをあまり感じないのが正直なところですが、強いて言えば、朝が早いところと体力勝負なところですかね。

朝4時に起きて作業しています。でも、早起きも捉え方次第で感じ方が変わるものです。今の私は誰かに強制されて起きているわけではなく、「早く起きて、あの作業をしよう」と自分で考えて起きているので、苦しさを感じずにできているのだと思います。

入澤さんが育てた大根

COCO真庭 吉田:活動で大切にしていることは何ですか?

入澤さん:農業で言えば、私はまだまだわからないことだらけです。そのため、さまざまな人のやり方を見て、学んでいくことを大切にしています。

地域おこし協力隊の活動で言えば、地域行事に積極的に参加しています。私はUターンとはいえ、20年近く地元を離れていたため、半分移住者みたいなものです。交流を通して、地域の情報を得られますし、地域で人脈が増えてきました。

地域おこし協力隊は、活動内容が見えにくいため、どんなことをしているのか分かりにくい存在に思われることもあるようです。地域行事に積極的に参加することで、地域の一員として受け入れていただけるよう心がけています。

COCO真庭 吉田:2025年4月に地域おこし協力隊に着任されましたが、振り返ってみて手応えはいかがですか?

入澤さん:昨年は計画していた収穫量を達成し、おおむね手応えを感じています。しかし満足はしていません。今年上手くいかなかった部分があるので、来年したいことがたくさんあります。

移住後、子どもたちが普段から伸び伸びできるようになった

ご家族と一緒に真庭市へ移住

COCO真庭 吉田:蒜山での暮らしについてお聞きします。Uターン後に生活は変わりましたか?

入澤さん:都会と田舎の暮らしの違いで言えば、やはり人間関係の近さです。都会では隣に誰が住んでいるか知らない場合が多いですが、田舎ではご近所さんが知り合いのことが多い。私のご近所さんも農家さんが多いので、私が作業をしていると、隣の畑から「頑張ってるね」と声をかけられることもあります。

また、週末の過ごし方も変わりました。大阪にいた時は、家族と買い物に出かけたり、遠出してアウトドアに出かけたりしていました。Uターン後はわざわざ遠出しなくても、自然の中で遊べる場所がそこら辺にあるので、わざわざ出かけなくてもよくなりました(笑)。

子どもたちは普段から伸び伸びできるようになったようです。よく近所の子どもたちと遊んでいます。

移住者は積極的に地域行事に参加を

入澤さんが育てたトウモロコシ

COCO真庭 吉田:今後の目標について教えていただけますか?

入澤さん:地域おこし協力隊としての活動は今年度の3月に終え、4月からは蒜山農業公社の社員になり、個人でも農業を続けていきます。蒜山農業公社では地域の農家や新規就農者の支援に取り組むとともに、ブドウの特産化にも力を入れたいと思います。

地域おこし協力隊になった理由の一つに、耕作放棄地など農業にまつわる地域の課題を解決したいという思いがありましたが、一個人でできることには限界がありました。蒜山農業公社に入ることで、そのような大きな課題に組織の一員として取り組んでいきます。

個人の農業の目標は、ブドウの栽培を始めるのと、とうもろこしの作付面積を増やすことです。

COCO真庭 吉田:最後に、真庭市への移住を考えている方へメッセージをお願いします。

入澤さん:移住者は周りから注目される存在になりやすいです。良くも悪くも自分の行いは見られていると思うことが大切だと思います。地域行事には参加していった方が、知り合いも増えますし、自分の活動を応援してくれやすくなります。

COCO真庭 吉田:貴重なお話をありがとうございました!

 

取材・執筆:吉田櫻子(X:https://x.com/racco_writer

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