中世の歴史を受け継ぐ〜社地区〜
真庭の地域紹介
真庭市は、5つの町と4つの村が合併して生まれた広い広いまちです。
そんな真庭市には、魅力ある地域がたくさんあります。
今回はその中から、「社地域」を紹介します。
中世の歴史が残る地区
名湯「湯原温泉」の東に位置する社地区。
周囲を山々に囲まれ、涼やかな水が湧く、自然豊かな地域です。
よくある山あいの集落かと思いきや、未だ謎の多い、中世の歴史が色濃く残っています。
社地区は「水源が豊富」「土壌が豊か」「災害が少ない」という恵まれた土地柄であるため、古来より経済的な基盤が整っていました。
そのため、神社やお堂、石造物や城跡など、地区内ではいくつもの遺跡を見ることができます。
また、中世より続く神秘的な祭礼が受け継がれているのも特徴。
現在でも、お神輿が出る本祭、大きな数珠を皆でまわす百万遍など、歴史ある祭礼が行われています。
格式高い「式内社」
社地区には、平安時代に朝廷から指定された格式高い神社「式内社」が8つ存在します。
かつての美作国にあった式内社は11。
そのうちの8つが存在するのですから、社地区は当時の朝廷と深い関わりがあったと考えられています。
さらに、神道の式内八社と仏教の「大御堂」が共存しているなど、日本独特の文化である神仏習道の名残も見られます。
これらの歴史や文化は、今なお地域の方々によって大切に守られ、次世代に受け継がれています。
そして、このような地域の史跡を一緒に巡るガイドツアーも人気です。
なぜ社地区に8つの式内社が集まっているのか、地元ガイドと一緒に謎解きしてみてはいかがでしょうか。
地域資源を活かした村づくり
社地区では、社地域振興協議会が中心となって、地域資源を活かした村づくりを進めています。
地域の史跡を巡るガイドツアー以外にも、さまざまな活動に取り組まれています。
例えば、竹林の活用。
地区内の竹林を整備した際の竹を使って竹灯篭を作り、年越しイベント「やしろ竹あかり」を開催されています。
樹齢1,000年を超える「佐波良の大杉」が照らされる様子は、まさに幻想的。
初詣と合わせて、ご覧になってはいかがでしょうか。
また、社地区には約300枚の棚田が点在しています。
この棚田で大切に育てられている餅米「ヤシロモチ」の加工・販売にも取り組まれています。
旭川上流域の清らかな水に加え、社地区産の竹パウダーや瀬戸内海の牡蠣殻を使って土づくりを行うなど、こだわって栽培されているのが特徴。
生産量が限られているうえに「美味しい」と評判なので、店頭に並ぶとすぐに売り切れてしまうとか。
ちなみに、このような取り組みが身を結び、農林水産省が定める「つなぐ棚田遺産」に認定されました。
今後は生産者や栽培面積を増やすことを1つの目標に、さらに活動を進めていかれます。
2023年に入ると、地域の空き家をみんなで整備し、活動拠点「神戸の館」として活用開始。
「神戸」を何と読むかは、実際に訪れて聞いてみてください。
きっと名前の由来から教えてくれるはずです。
そんな「神戸の館」を活用して、今後どのような活動が行われるのでしょうか。
イベントも開催されるはずなので、ぜひ訪れてみてくださいね。