◆「だれひとり、取り残さない」

ほんとうの意味での、「だれひとり」。
それが、「SDGs(Sustainable Development Goals)」のテーマです。

持続可能な開発目標、と訳されるSDGsには、17のゴールがあります。

国連で採択された、と聞くと、なんだか世界規模すぎて、壮大で、ピンと来ないかもしれません。けれど、じつはとっても身近。
だって、「だれひとり」のなかには、自分も、家族も入っているのだから。

しかも、真庭市は、「SDGs未来都市」。
SDGsの達成に取り組んでいる地域なんです。

そんな真庭市で、「SDGsの達成に取り組みます」と宣言した企業・団体をご紹介。

「SDGsって、そういうことなんだ」
「じゃあ、わたしにできるSDGsって、何だろう」

そう思ってもらえたら、うれしいです。

今回は、「合同会社PORT-LAIT」さんです。

*合同会社PORT-LAIT ホームページ

◆「空き家」がふたたび、「住まい」としてよみがえる。

真庭にも、ちらほらと「空き家かな?」と思う家があります。

もぬけの殻、というだけではなくて、屋根が崩れていてちょっと危なそう、窓が割れていてなんとなくケモノの気配がする……。
なにより、せっかくの自然ゆたかな美しい景色が、ちょっと……。

そうなる前に、もしも「空き家」がふたたび、「住まい」としてよみがえったら。
明かりが灯って、家族の楽しそうな笑い声がもれてきたら。

それはきっと、真庭が「持続可能なまち」である証になると思います。
まさに、SDGsが目指すゴール11「住み続けられる まちづくりを」です。

そんな想いで、合同会社PORT-LAIT(ポートレイト)さんは、空き家の片付けをしています。

◆空き家を責めるのではなく、「原因」を見つめて、「人」に寄り添う。

空き家と切っても切れない、「片付け」というテーマ。
ものの量によっては、なかなか自分たちでできることではありません。トラックで何往復することもあります。

「でももちろん、皆さん放っておきたくて、放っていたわけではありません」

そこには、「なぜ、空き家になったのか」かならず理由がある、と合同会社PORT-LAITの竹井さんは、言います。

たとえば、セルフネグレクト(自己放任)の方。
セルフネグレクトとは、生活環境、栄養状態が悪くなっているにもかかわらず、それを改善しようという気力を失ったまま、まわりにも助けを求めない状態です。
ごみ屋敷・孤立死の原因とも言われています。

空き家ひとつひとつに、「理由」と「物語」があります。

「だから、空き家にあがらせてもらうたび、そこに住まれていた方に、想いを馳せます」

竹井さんは言います。

依頼主さんから、ここに住まれていた故人のお話をうかがうこともあるそう。ときには、泣きながら話される依頼主さんも。
竹井さんは、片付けをするだけではなく、片付けを通して「人」に寄り添っています。

そのなかで、費用以上の「払い戻し」がある場合も。
「片付けをすると、買い取りできるものが出てくる場合もあります。その量・価値によっては、むしろこちらからお金を還元、お支払いさせていただきます」

◆真庭への移住者さん増は、SDGsのゴール1「貧困をなくそう」にもつながっている。

そうして、片付いた空き家に、また明かりが灯る。笑い声が聞こえてくる。
空き家の所有者だった方からも、つぎに住まれた方からも、感謝してもらえる。

「それがやっぱり、うれしいです。やりがいを感じるところです」

真庭のために、と竹井さんは何度もくり返します。
人とのつながりで、いろんな化学反応が起こる。ビジネスが生まれる。そんな真庭に魅力を感じて、真庭のために、と考えている竹井さん。

「空き家をもっと〈住まい〉に生まれ変わらせることができたら、やみくもに増やせばいいっていうものじゃないですが、真庭への移住者さんも増えるんじゃないかと思います」

PORT-LAITさんの「真庭SDGsパートナー宣言書」にも書いてあります。

「空き家問題に取り組み、片付けの事業から空き家の利活用を行い、移住者または市内の人たちの暮らせる場所の提供に力添えを行いたいと思います」

空き家の片付けと、「真庭への移住者さん」は深く関わっています。

しかも、PORT-LAITさんが目指す「真庭への移住者さん」増は、SDGsのゴール1「貧困をなくそう」にもつながっている、と竹井さんは言います。

物価が高く、家賃も高いため、生きるための支払いだけで働きづめ。その会社も、経済のうねりに巻きこまれて、いつまで持ちこたえられるか。

「その結果、貧困になってしまうなら、食べるものに困らない、家賃も物価も安い、若い人がいるだけで重宝される、真庭のような地方に移住するのもいいんじゃないかと思います」

そんな移住者さんの受け皿となる「住まい」を、「空き家」の片付けを通して支えているPORT-LAITさん。
ほかにも、SDGsのゴール11「住み続けられる まちづくりを」のため、協会認定の生前整理士による終活サポート、お墓掃除代行、特殊清掃・消臭などもおこなっています。

 


竹井さんにとって、SDGsとは?
問いかけに、「ずっと住める地域をつくっていくこと」と答えてくれました。

空き家の数は、その地域の「魅力度」に直結しています。
空き家率30%をこえると、自治体は財政破綻する可能性が高まる、という声もあります。

そのなかで竹井さんは、少しでも「空き家」を片付けて、使える「住まい」にしよう、と啓発活動をしています。

もし、「空き家」のままの物件をお持ちでしたら、「ちょっと本腰を入れて、どうするか考えてみようか」と思うことが、里山SDGsへの一歩なのかもしれません。

 

文・取材:甲田 智之

 

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