いいえ、感謝したいのは私の方です。
韓国出身カンさんが見た心躍る岡山のコト 第14話
[14目の話] いいえ、感謝したいのは私の方です。
縁もゆかりもない岡山の山村、真庭市に移住したのはちょうど2年前でした。
2011年に韓国から離れ、イギリスや日本で演劇を勉強しながら作品を発表することをしてきました。
大規模なプロジェクトに参加してそれなりの成果も出しましたが、
いつも次の作品を作ることができるか不安な日々が続きました。
「地方の遊休施設を活用して創作空間を作ったら少し安定できるかな。」
このように始まったことが、真庭市の空き家を改修した
「アーティスト・イン・レジデンス兼シェアハウス」に辿りづきました。
アクセルさんのような海外の才能のある若い人々をシェアハウスに入居させ、
地域おこし活動に参加する機会を提供しました。
みんなのスキルや専門知識を活用して、
「外国人が案内する日本の田舎サイクリングツアー」や
「お母さんと一緒に描く絵の教室」、
地域の祭りを英語圏に紹介するプロジェクトなど、
住民と一緒に企画して一つ一つ楽しく実現してきました。
2年間、多くの地域づくりプロジェクトに関わってきて
多くの方々から感謝の言葉を頂きました。
しかし、ありがとうという言葉は、私が言うべきです。
一日一日を忠実に楽しんで生きていく真庭の人々に出会って、
私が生きてきた日々を振り返ることができました。
ここに来る前の私は、いつも明日を準備するためのプロセスとして今日を生きてきました。
「やりたいこと」をするためには、今日は「やるべきこと」をしなければならないという強迫の中で
一日一日を耐えるように生きてきた気がします。
祝福のような今日を、周りの人と楽しく、大切に生きていながらも
明日や次の世代まで考えている真庭の人々。
その豊かな日常が
「どう生きていくのか」いつも未来だけ考えていた私を
「どう生きているのか」と今日を見るようにしてくれました。
あなたの今日は幸せですか?
私がここで受けた新鮮な刺激を誰かに届けたいと思いました。
次はエピローグでお会いしましょう。
長い話を読んでいただき、ありがとうございました!
韓国出身カンさんが見た心躍る岡山のコト 次回はいったんのエピローグです