[8つ目の話] 自然に

観光地から道を一本離れると
蒜山高原でも素朴な農村風景に出会うことができます。
大根など高冷地野菜で有名な蒜山ですが、
そこでお米を作っている若い夫婦がいます。
美を求めて田畑を耕しているので、
蒜山耕藝と名付けたという高谷夫婦に会いに行きます。

農薬はもちろん肥料も使わない自然農法は、
合成化学物質を使用しない有機農より
もう一歩自然に近づいている耕作方法です。
手も沢山掛かって、生産量は一般農法の半分以下。
自然農法だけで生計を立てることは
とても難しいことだと言われています。
高谷夫婦は今年で6年目、自然農法で
米と麦などの穀類を栽培しています。
週2日はくどと名付けたレストランで
直接栽培した作物で作った料理も出しています。

「私は食いしん坊で、自然と食品になる前の、
目に見えない過程に関心を持つようになりました。」

東京に住みながら自然農法に興味を持つようになったカップルは、
ある日、公務員だった夫と一緒に仕事を辞めて
農家になりました。

「難しい決断のようなことはなかったです。
一緒に歩いているうちに自然と辿り着いた道です。
食堂をすることになったのも作業場で使う場所を探しているうちに、
皆んなが囲んで一緒に食べれる’食卓’があればいいなと思って始まったことです。」

自然農法は、ただ肥料や農薬を使わないだけではありません。
周辺の自然環境と道路や建物など、人為的な環境が
お互いにどのような影響を与えるかを少しずつ分かって行って
お互いのリズムに合わせていく作業だといいます。
今年収穫した種を翌年播種してきた6年。
米も夫婦も少しずつもっと元気になっていきます。

なぜ自然農法が良いかを夫婦に聞きました。
「味がもっと美味しいからです。」
自然との共生について何か情熱的な話を
期待しましたが、ニコニコ笑顔だけ戻ってきました。

*蒜山耕藝ホームページ
http://hiruzenkougei.com

土壁に立てかけている木の枝、くどがどういうところかをよく見せている気がします。
中に入ると、素朴な田舎の風景が目に入ります。
工房、作業場、厨房、お店、皆んなの為の食堂という「くど」
今日の主人公、高谷エリカさんです。
トマトとオリーブオイル、塩だけで味を出したトマトスープ、直接栽培した豆で作った豆腐
直接栽培した野菜や小麦で作ったパスタ、最小限の調味料だけ使っているので、噛むと小麦の香りが広がります。
食後の黒文字茶。独特な香りが、口の中をスッキリにしてくれます。
田んぼの仕事をしていた旦那さんが話に合流してくれました。
作業のため、米袋に入れている小豆。米は収穫が終わってから2ヶ月で完売されると。
お二人の耕作が’藝’になったように、夫婦の毎日も美しく輝くように!

韓国出身カンさんが見た心躍る岡山の50のコト 第9話をお楽しみに